しろありの見分け方

しろありの見分け方

シロアリは名前や形、大きさ、生活様式などがアリに似ていますが、アリとはまったく違った種類の昆虫で、アリの仲間ではありません。シロアリとアリはつぎの点で簡単に見分けられます。

(1) アリの触角は「く」の字状をしていますが、シロアリの触角は真珠のネックレスのように数珠状をしています。

(2) アリの翅(はね)は前翅が後翅より大きいのに対して、シロアリの翅は4枚ともほぼ同じ大きさで同じ形をしています。

(3) アリは腰の部分がハチのように細くくびれていますが、シロアリでは細くなっておりません。

しろありの発見方法

 シロアリの生息地であれば、シロアリ被害はどこででも起こる可能性があります。シロアリは風呂場・台所・洗面所・便所など比較的暖かく、水をよく使うところに多く発生します。建物をシロアリから守るには、早期発見がなによりも重要です。シロアリがついていないかは、素人でもつぎの手がかりで簡単に調べられます。

【蟻道】
シロアリは地中から土でトンネル(蟻道)をつくって建物へ侵入してくることが多いので時どき建物の床下や周辺を調べて基礎や束石・土台などの表面に蟻道がついていないかを確かめましょう。
【蟻土】
シロアリは風や光を嫌い、適当な湿度を保つために、木材の割れ目や継ぎ目に排出物や土砂(蟻土)を運んできて詰めたり、盛り上げたりします。
【食痕】
シロアリは木材の軟らかい春材部を好んで食べ、硬い秋材部を食い残しますので、木口面では年輪に沿って同心円上の食痕を示します。シロアリは明るいところでは木材の表層を残して内部だけを浸食しますので、木材の表面から強く押したり、ドライバーでほじくると、簡単に穴があいたり、壊れたりします。シロアリ被害が進んだ木材は内部が空洞音がします。
【建物の変状】
シロアリ被害が進んだ建物では、家の中を歩くと、畳や床板がなんとなくくぼむ感じをうけたり、柱が下がり、棟や軒の稜線が波を打ち、屋根瓦がずり落ちたり、ふすまや障子、雨戸などの立て付けが悪くなったりします。
【羽アリ】
羽アリの群飛期はシロアリが人前に姿を現す唯一の時期ですので、シロアリ発見の絶好のチャンスです。群飛の時期や時刻に注意していれば、シロアリの種類の判別にも役立ちます。ヤマトシロアリは4月~5月(ただし、沖縄2月、東北・北海道6月頃)の昼間にイエシロアリは6~7月の夜に群飛して電灯に飛来します。アメリカカンザイシロアリは6~9月の昼間に少数ずつ何回も群飛し、ダイコクシロアリは5~8月の夜に少数ずつ群飛して電灯に集まってきます。
【乾材シロアリ糞】
アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリは乾燥した木材だけを食害し、被害材の外に糞を排出します。被害材の下に乾いた砂糖状の糞がたまっており、数十倍に拡大して見ると真ん中がへこんだ米俵状をしている場合は乾材シロアリの被害です。